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診療報酬改定(2018年4月)かかりつけ医・オンライン診療の届出状況

病院、診療所・クリニックの情報を収集する一つの方法として、地方厚生局・地方厚生支局の「コード内容別医療機関一覧」、「届出受理医療機関名簿」で、保険償還の対象となっている医療機関の基本情報、届出情報を確認することができます。

【2018年3月時点と2018年10月時点の届出状況比較】差が大きい順20

H30届出名 2018年3月 2018年10月
機能強化加算 13,133 13,133
人工腎臓 4,429 4,429
入退院支援加算 4,297 4,297
透析液水質確保加算及び慢性維持透析濾過加算 3,786 3,786
導入期加算1 3,460 3,460
夜間休日救急搬送医学管理料の注3に掲げる救急搬送看護体制加算 1,671 1,671
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の注2に掲げる遠隔モニタリング加算 1,489 1,489
地域包括ケア病棟入院料2及び地域包括ケア入院医療管理料2 116 1,515 1,399
がん患者指導管理料イ 1,376 1,376
がん患者指導管理料ロ 1,355 1,355
オンライン診療料 1,054 1,054
乳腺炎重症化予防・ケア指導料 1,047 1,047
初診料(歯科)の注1に掲げる基準 906 906
がん患者指導管理料ハ 815 815
歯科外来診療環境体制加算1 695 695
後発医薬品使用体制加算3 196 877 681
悪性腫瘍病理組織標本加算 680 680
導入期加算2及び腎代替療法実績加算 671 671
地域包括診療加算 4,968 5,585 617
療養・就労両立支援指導料の注2に掲げる相談体制充実 577 577

※2018年3月時点が「-」は4月の診療改定による新規項目

 

新規の開業や代表者の変更の際だけではなく、診療報酬に関連する届出もこちらで確認することができるため、医療機関の経営方針等を推測するにも使えます。
特に診療報酬の基準が変わるタイミングの後では、各医療機関が新基準に沿った届出を出すため、政府が決定した方向性にどの程度沿って動いているかを見ることができます。

以下の表は、2018年4月の診療報酬改定の前後で、届出医療機関の増加が多い順にリストになります。多くは、新基準ですが、中には2018年4月以前にも存在し提出した医療機関が増えた届出も含まれます。
これから何回かに分けて、届出の状況変化から各医療機関の動向について考察したいと思います。

機能強化加算:かかりつけ医の評価を重点

2018年度改定では、この何年か進めている「かかりつけ医」制度の充実によるゲートキーパー機能の導入をさらに進めることを大きな重点とされています。
かかりつけ医が”振り分け機能”を発揮することで、フリーアクセスの原則を守りつつ、大病院への外来を減らし、大病院は急性期を中心とした機関へのシフトを実現することを狙いとし、地域の再編成を狙いとしているようです。
その関連で、現在でも大病院への紹介状なしの受診時の定額負担が導入されていますが、それがより拡大されます。
「かかりつけ医」を中心として感じゃの流れのコントロールは、地域包括ケアシステムを機能させるためのキーとして、期待されている機能になります。

2018年度以前でも「地域包括診療料・加算」「認知症地域包括診療料・加算」は導入済みでありますが、2018年度前には「地域包括診療加算」の届出が4,968施設の状況にあり、診療所の全体量から考えると伸び悩んでいます。在宅患者への24時間対応や、患者に処方している全医薬品の管理等が負担になっており、それが届出の際の壁になっているようです。

「地域包括診療料・加算」は複数の生活習慣病を合併する患者に、トータルな診療を提供する主治医機能を評価する点数です。
今までは、かかりつけの患者については、「再診」を評価する仕組みでしたが、「初診」については評価する意図で、「機能強化加算」が新設されてました。

それに合わせて多くの施設が、機能強化加算の届出をしています。

 

【2018年3月時点と2018年10月時点のかかりつけ関連届出項目】

H30届出名

2018年3月

2018年10月

機能強化加算

13,133 13,133

地域包括診療加算

4,968

5,585

617

小児かかりつけ診療料

916 1,461

545

 

初診料
機能強化加算 80点

算定要件
地域包括診療加算、 地域包括診療料、 小児かかりつけ診療料、 在宅時医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)、 施設入居時等医学総合管理料(在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院に限る。)を届け出をしている保険医療機関(診療所又は200床未満の保険医療機関に限る。)において、 初診を行った場合に、 所定の点数に加算する。

地域包括診療料等

地域包括診療料1 1,560点 新
地域包括診療料2 1,503点
認知症地域包括診療料l 1,580点 新
認知症地域包括診療料2 1,515点

施設基準(抜粋)
(l)診療料については、以下の全ての要件を満たしていること
ア 診療所の場合
(イ) 時間外対応加算lの届出
(口)常勤換算2名以上の医師の配置、うち常勤医師が1名以上
イ 病院の場合
(イ) 地域包括ケア病棟入院料の届出を行っていること。
(口)在宅療養支援病院の届出を行っていること。
(2) 診療料lを算定する場合には、外来中心の医療機関であり、当該医療機関での外来診療を経て訪問診療に移行 した患者数が10人以上であること。
地域包括診療料等
地域包括診療加算l  25点新
地域包括診療加算2 18点
認知症地域包括診療加算l 35点新
認知症地域包括診療加算2 28点

施設基準(抜粋)

(1) 在宅医療の提供及び当該患者に対し24、日の'珍のIを 療所については連携医療機関の協力を得て行うものを含む。)
(2) 以下のいすれかの要件を満たしていること。

ア 時間外対応加算1又は2の届出
イ 常勤換算2名以上の医師の配置、うち常勤医師が1名以上
ウ 在宅療養支援診療所

(3) 加算1を算定する場合には、外来中心の医療機関であり、該当医療機関での外来診療を経て診療に移行すした患者数が3人(在宅療養支援診療所の場合は10人)以上であること。

 

内科を中心に多くの病院が診療所が出しているように見えます。 政府の方向性を考えるとかかりつけ医として機能しない診療所は生き残れないことになります。私自身の感触では、実際、かかりつけ医の機能自体は増えていないような気がしますが、多くの診療所がまずは登録を始めているということでしょう。

今後も、この方向が進む見込みです。実際のかかりつけ医の機能が回るかどうかが次のポイントになります。

 

オンライン診療、遠隔モニタリングが前進

2018年4月で、進んだ基準としては、ICT(情報通信機器)技術を活用した「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」の新設があります。今まで、離島等の限られた範囲で例外的な扱いであったオンラインでのリモート診療はこの度、「再診」のみではありますが、開始されました。
「医療は対面診療」という原則のもの、比較的症状が安定した初診から6か月超の患者に対し、リアルタイムでのコミュニケーションが可能なICTを用いた場合に算定されます。
また、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)、 COPDで在宅酸素療法(HOT)での、「遠隔モニタリング加算」も算定されています。

 

【2018年3月時点と2018年10月時点のオンライン関連届出項目】

H30届出名

2018年3月 2018年10月

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の注2に掲げる遠隔モニタリング加算(CPAP療法)

1,489 1,489

オンライン診療料

1,054

1,054

在宅酸素療法指導管理料の注2に掲げる遠隔モニタリング(COPDで在宅酸素療法)

195

195

遠隔画像診断

496

512

16

遠隔放射線治療計画加算

6

6

遠隔脳波診

7 11

4

 

 オンライン診療料 70点(1月につき)

オンライン診療料が算定可能な患者
以下に掲げる管理料等を算定している初診以外の患 者で、 かつ、 当該管理に係る初診から6月以上を経過した患者。

特定疾患療養管理料、 地域包括診療料、 小児科療 養指導料、 認知症地域包括診療料、 てんかん指導 料、 生活習慣病管理料、 難病外来指導管理料、 在宅時医学総合管理料、 糖尿病透析予防指導管理料、 精神科在宅患者支援管理料

オンライン医学管理料 100点(1月につき)

オンライン医学管理料が算定可能な患者
以下に掲げる管理料等を算定している初診以外の患者で、 かつ、 当該管理に係る初診から6月以上を経過した患者。

特定疾患療養管理料、 小児科療養指導料、 てんかん指導料、 難病外来指導管理料、 糖尿病透析予防指導管理料、 地域包括診療料、 認知症地域包括診療料、 生活習慣病 管理料

● 在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料 100点(1月につき)
● 精神科在宅患者支援管理料 精神科オンライン在宅管理料 100点(1月につき)

 

2016年度診療報酬改定では、 心臓ペースメ ーカー患者に対する情報通信機器(ICT)を用いた遠隔モニタリング加算を認めていがましたが、 これをCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)、 COPDで在宅酸素療法(HOT)を受ける患者へも拡大しました。 算定は1月に1回でき、 2回連続までとなります

さらに、 在宅患者訪問指導料を算定する患者が亡くなり、 ガイドラインにのっとり、 看護師からの報告を受けた医師がICTを利用して死亡診断書を作成した場合に加算を算 定できるよう明記されました。

在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 遠隔モニタリング加算 150点(1月につき)
在宅酸素療法指導管理料 遠隔モニタリング加算 150点(1月につき)

※ CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)とは、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。CPAP療法は、1998(平成10)年に健康保険適用になりました。

※ COPDは、日本語で「慢性閉塞性肺疾患」といい、以前は、肺気腫あるいは慢性気管支炎と呼ばれていた病気です。日本ではほとんどたばこが原因で、ゆっくりと進行し、20~30年経過してから症状が出てきます。

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