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医療材料の共同購買ついて その①

医療材料・医療機器の価格は、他製品と比べ、償還価格により左右されること以外にも、業界特有の流通構造、商慣習、嗜好性等の多くのことに起因して、解り難く見えにくい状況になっています。 一つの製品が病院により違う金額で取引されます。そのような場合、一般的には自然にある金額に集約してくるものですが、医療材料の場合はそのまま年を経ても維持されています。いろいろな点で、価格は業界の個々の非効率や矛盾が一番現れているようにも思えます。

価格の現状
一つの製品の病院毎の価格の差異ですが、後述する理由等により解りにくい状況です。 業界全体を俯瞰して確認する方法もないため、個別の調査をベースにする必要があります。 今まで見た幾つかのフグラフ・数値によると、価格が30,40%違うことも普通で、50%以上異なることも不思議ではありません。また、量を多く購入していても金額が高いこともあり、「多く買っても価格が高い」不思議な事象が多くみられます。 病院間の情報共有も、マーケティング情報もない世界では、価格というのは独自の意味を持つようです。

価格差の理由
前述の状況については、各病院・卸(代理店)等医療関係者は解っています。医薬品は、医療材料と比べはるかに価格調整が進んでおり、病院による多少の価格差はあるとしても、医療材料のようなことはありません。また、同じ病院の購買担当部門が扱う訳ですから、医薬品と同様に医療機器も価格の標準化が進んで良いはずなのですが、業界の違いにより何倍も難しいようです。

① 医療材料には正確なマスタはない
医療材料は、1病院が取り扱うものだけでも数千、数万の種類があります。世の中には、国が音頭を取っているメディスや、私企業(現在、卸グループ化)メディエ等あります。 特にメディエは病院からの信頼度が高いのですが、多くは参照情報として使われており、日本中の医療材料を纏めるところまで利用されてはいません。メディスは、各ベンダーには協力義務のあるものの、企業により温度差もあり、カスタム品目(特注品目)等の登録義務も曖昧なようで、進んでいません。 それなりに役にはたつのでしょうが、マスタというものは、完全でないと使いにくく、使われないようです。結果、病院はマスタを独自管理をすることになりますが、マスタ管理というものはビジネスのプラットフォームの中でも非常にレベルが高いもので、ある程度の品質を保つだけでも大変です。
複数病院を管理しているなら、なおさらこの医療材料マスタの管理は重要です。 整理するには、(傍目には)莫大な工数と労力、それに費用もかかるため、多くの病院はまずはこれにつまずくことになります。

② 同種同等品の規定がない
マスタに近いところですが、同じ機能を持つ、医療材料を纏めてグループ化する分類が未発達です。この医薬品はIMS等の企業をみても薬効により分かれており、それが現実に近いため比較的に楽なようです。医療材料というものは、同じようなものでも機能・効果が微妙に違ったりして、さてレベルでグループ化するかどうかは悩ましいところです。 上記マスタと同様、これも世の中で使える外部もマスタもないため、ここでも止まります。医療材料を比較するためには、まずは同じものを集める必要があります。

③ 医師・看護師・患者の好み・慣れが大きい
飲めばよい、注入すればよい医薬品に比べ、医療材料はものによって使い勝手が異なります。私が以前仕事をしていた医療機器メーカーでも20年以上前に販売したものが、ずっと主力製品でした。競合が多くはなくてもあるのですが、それでも一度使い勝手に慣れている医療材料は、医師・看護師はもちろん患者さん自身も変えたくはないものです。また、何年も使い続けたものは、それだけで安心であり、リスクも少ないわけで、何もなければ使い続けたいのは普通の心理と思います。 その使用されている医療関係者の方に、どのように説明し、何を選んで、どう協力してもらい、納得してもらうのか、これも時間と労力と費用がかかります。人間関係というのが一番厄介なので、これが一番の壁なのかもしれません。

次回は、上記についてより説明します。

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