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データ分析の過去・現在・未来を解説!データマイニングやTableauで何が変わる?

#データ #分析

ここ2,3年、「ビッグデータ」等の言葉を頻繁に見聞きするようになり、「データ分析」が大きなトレンドになっているようです。
以前は「ビッグデータ」という言葉だけが独り歩きし、実際の形が良くわからない状況でしたが、メーカー、システム開発、コンサルティング会社等各社が本格的に参入し、徐々に形あるものになって来たようです。医療機器業界でも、データに対する意識が高まっているようで、時々、システム構築等の話を聞きます。

以前から「データ分析」は企業においては重要な要素ではあったのですが、未だ曖昧な部分が多く、また日々進歩している分野です。
少し前まで遡って、その流れを説明し今後の見通しを考えます。

販売データ・在庫データ・会計データが1つのシステムに!データ分析が必要不可欠になった今

ここ20年ぐらいを考えても、「データ分析」がホットになった時期が何度かありました。
90年代に生まれた独SAP社等のERP(※)の普及により、今まで分散して管理されていた販売データ・在庫データ・会計データ等が一つのシステム内に蓄えられるようになりました。

そのデータを照会するのにERP上のレポーティング機能が開発され、定型的な数値をほぼリアルタイムに参照することが可能になります。現場の担当者から経営者まで同じ数字を見ることができるようになり、経営指標(KPI)の活用もされるようになって来ました。(もっとも、データをエクセルに落としたりして経営会議用に加工するところが多く手数はかかっていますが)

しかし、一つ一つプログラミングをしてレポートを開発する必要があり、自由にデータを抽出する状況ではありませんでした。
また、複数種類のデータを対象にするレポートを作成するとシステムに負荷がかかり、その影響で基幹業務(受注や会計入力等)が遅くなったりして、シンプルなレポートのみの利用に制限されました。

そこで、ERPベンダーに加えて、新たにBI(※ ビジネスインテリジェンス)ベンダーとして、コグノス(現IBMが買収)、ビジネスオブジェクト(現SAPが買収)、SAS等が主流となってきます。これらのシステムは、ERPとは別システムとして存在し、ERPに蓄積したデータを吸い上げて、データキューブというレポートソース(分析用データの固まり)を作ります。
各レポートは事前に作成されているそのデータキューブにアクセスするためスピードも速くなり、またある程度はユーザが自由に分析の切り口を変更することが可能になりました。

※ERP(Enterprise Resource Planning 統合基幹業務システム)

※BI (Business Intelligence  ビジネスインテリジェンス)

今は聞かなくなったデータマイニングとは

この頃、「データマイニング」という言葉が広まったように思います。データをいろいろな角度で検証することで、何かビジネスに活かすことができる新しい発見をすることです。一つのトレンドになりましたが、その後最近までの10年ぐらいは聞かなくなりました。

IT技術の進化とともに大容量のデータをクライアントがデータ分析できるようになりました。

さて、今、「データ分析」に、再度、光が当たっている背景は主にIT技術の進展にあります。サーバー等のハードウェアの価格が大きく下がり、またその安価なサーバーを複数使い一つのシステムとして利用可能とする仮想化技術(※)が大きく進展します。平行して、その環境上で機能するHadoop(※)のような分散処理技術も普及し、以前のような分析専用の大規模システムが不要になって来ました。以前は数千万単位だったシステム構築も、数百万単位で可能となり、機能もより充実した感じです。

また、サーバー側ではなくクライアント側(PC側)の技術も進みました。メモリが安くなったことにより、メモリ上に大容量のデータを蓄積し、それを使い分析するソフトウェア(Qlikview,Tableau等)のベンダーが誕生します。
今まで、サーバー/クライアント間で時間をかけて往復していたのが、1000万件を超えるデータをクライアント側に置くことで、一瞬で分析データを表示することができます。一つのグラフ上のバー等を変更することで、関連したグラフが連動して瞬時(本当に!)に更新されます。エクセルやパワーポイントのグラフが互いに連動するイメージです。正直な感想として、データを分析するのが楽しく、本当の意味で「データマイニング」の時代が来た感があります。

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Qlik はQlikView(Qliktec)の意味

※仮想化技術

※Hadoop

Qliktec社のTableauを使うことでデータ分析を無料で使えます!

オンメモリ処理のBIベンダーが出てきて、ガートナー(システム業界の分析会社)のリサーチでも、ビジュアライズビジネスインテリジェンスという分野が出来ました。
そのトップを走っているのが、先程、説明したQlikview(Qliktec社),Tableauになります。

無料試用がどちらも可能で、特にQlikviewはPersonal版なら無料でPCにインストール期限なしで利用することが可能です。通常は、企業での利用を許可しないものですが、Qliktec社に聞いたところ、「是非、お使いください」ということです。(ただし、サポートはなし)トレーニングマニュアルもダウンロード可能なので、簡単に体験可能です

Tableau-Homepage_Japanese – YouTube

Tableauホームページ

まだ、マーケット的には未だ大きなシェアをもっているコグノス、ビジネスオブジェクト等のオンメモリでのツールを開発、公開しています。これらはさすがに大企業を主としているため、デザイン的にも安定度も完成度も高いようです。ただ、金額的にも、大企業向けのようです。

今後データ分析技術は益々発展!PCだけでなくタブレットでもビックデータが閲覧・分析できる時代へ


今後10年は、この分野は大きく発展していきます。
もともと、ビックデータは世の中で日々蓄積されている大量のデータ(インタネットのアクセスログ、気象データ、交通データ等)の分析を対象としています。これらのデータ蓄積は今後も爆発的に拡大するでしょうし、それに合わせてその分析技術も格段に進歩することが予想されます。

それに合わせて企業でのデータ技術も同様に進みます。 医療機器業界で主流となっている販売実績データだけではなく、企業間の流通データを統合して分析するようにサービスが出てくることが予想されます。今後10年を考えて、基盤となる主な方向は以下のように考えます。

オンメモリ技術の進展による高速データ分析

上述したオンメモリ技術の進展により、分析対象は飛躍的に大きくなり、分析速度もどんどん上がってきます。今のPCでもメモリを積めば1000万件のレポート分析ができますので、PCやタブレットに搭載されるメモリが大きくなればあたり前になります。タブレットを現場で見ながら、同僚と数字を見ながら討議する時代です。

クラウドサービスによるデータの集中化

現在、Amazon、Google, Microsoftに代表されるようなクラウドサービスや、より小さな企業が提供するサービスも含め、どんどん利用が進みます。
データも自社で保有するのではなく、クラウド上に保有し、複数箇所から利用することが多くなります。
合わせて、今後はその集まったデータを企業グループ単位や業界単位で一か所に集め、全体で分析することが進むと思っています。
企業単位ではなく、より多くの単位で分析することで、業界をより効率的にすることが可能になり、強い業界になると考えます。

70、80年代の生産技術では日本が世界のトップを走っていましたが、その後、ERP等ソフトウェア改革は欧米が、インターネットの世界では新興国が活躍しています。
データ分析でも、現在は欧米が先行していますが、これからの技術の進展や各国の環境の変化により、都度状況は変わっていくと思われます。数字を見ていくこと自体は、細かいことを真面目に日々実行する日本人が得意なところです。
どうにか、今後やってくるだろう「データ分析の時代」には勝者グループの一角に入りたいところです。

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